窓から差し込む光で、は目を覚ました
むくっと起き上がると、そこはソファだった
ベッドもあるというのに・・・
どうやら昨日はソファに寝転がってそのまま眠ってしまったらしい
「・・・あー、体が痛い・・・」
女の子としてあるまじき、と呟きながら
顔を洗ってシャワーを浴びて、旅行カバンに入っている予備の服に着替えた
そしてイノセンスを肩にかけて
食堂に向かうためにドアを開けた
「おっはよーさーん!!」
「・・・」
寝ぼけてる、うん、寝ぼけてる
そう思いながら一旦ドアを閉め、もう一度をドアを開けるが・・・
「おっはよーさーん!!」
・・・どうしてやっぱり、
そこにはラビが昨日と同じ満面の笑みで立っていた
Spinning Dance ---3
「お、おはよーラビ、あの・・・どうして・・・?」
わけのわからないはドアの前で固まってしまった
「ん?食堂の場所イマイチわかんないと思ったから、
エスコートしにきたんさ!」
さぁレッツゴー!
と言いながらの手を取るとラビは普通に歩き出した
なにがなんだかさっぱりわからない・・・
昨日あんなことを言ったから
てっきり近づいてこないと思っていたのに・・・
「あ、の・・・ラビ?」
「なんさ?」
「・・・なんでもない。」
振り返ったラビの顔は至極普通で
これと言って嫌がっているようには思えない
その理由は、にはわからなかった
(ここまでわからない人はちょっと初めてかも・・・)
そう思いながら
引っ張られるがままに食堂へとやってきた
厨房の前に立つと
1人の・・・男?が中からやってきた
「あら〜んラビ、その子どちら〜?」
(お、女・・・?)
「ってんだ、昨日から入ったエクソシスト!
、こっちは料理長のジェリーさ!!」
「料理長!?
初めまして、 ですよろしく!」
「あら、女の子のエクソシストなんて珍しい!!
あたしのことはジェリー姉さんって呼んでね!」
ジェリーは嬉しそうにウィンクした
「あ、はい。」
「、ジェリー兄さんの間違いさ。」
「へっ!?」(兄さん!?!?え、オカマ!?)
「まぁ、失礼ねラビ!
で、注文は?」
「俺ミートソーススパゲッティ!」
「は?」
「えっ!?」
はいきなり聞かれて戸惑った
「ここは頼めばなんでも出てくるわよ?」
「あ、じゃぁフレンチトーストとコーヒー!!」
ジェリーはニッコリ笑うと厨房へと戻っていった
「ジェリーはいいやつさ、リナリーもよく懐いてる。」
「そうなんだ・・・」
そういうラビの横顔をジッと見た
さっきジェリーと話をしている時も
やっぱり昨日と変わらない笑顔だった
そう、昨日と一緒だったのだ
それが余計にわからない
「ん?」
ラビがジッと見つめられているのに気づいた
「なになに、まさか惚れちゃった?」
「いや。」
「うっ・・・即答っ!」
あちゃーとしょ気るラビ
「ねぇ・・・ラビ。」
「なんさー?」
「なんで昨日の今日なのに優しいの?」
「・・・なんのことー?」
「だって、昨日失礼なこと言っちゃったし・・・」
そう言うとラビの顔が一瞬だけ曇った
でもまたすぐにニコッと笑って
「なんのこと?」
と言って誤魔化した
「ラビ、ここにおったか。」
その時、2人の背後から低い老人の声がした
全く気配が感じなかったというのに・・・
が驚いて振り返ると
随分と背の小さい老人が立っていた
そうだ、昨日ラビを追いかけていた老人だ
「おはよージジィ!」
ラビはこれと言って驚くこともなく普通に挨拶をした
「・・・ラビ、誰じゃ?」
その老人はを一瞬だけ見た
「新しいエクソシスト、昨日入ったんさ。」
「・・・初めまして・・・・・・です。」
「・・・そうか。」
老人は2人の間を通り過ぎ
厨房にいる人に朝食を頼むと
再びの方に向き直った
「わしはブックマンと呼ばれる性の者じゃ。
名前はないから、ブックマンと呼んでくれ。」
「・・・・・・ブックマン?」
「いつも語られている表の歴史と違い、
あらゆる理由で語られることのない歴史・・・
いわゆる裏歴史を記録する者じゃ。」
「・・・ラビも?」
「俺っちはその次期後継者。ジュニアだね!」
なんだ、そういうことか
なにかがの中で解決した
「そう・・・ですか、よろしく、ブックマン。」
は笑ってブックマンと握手をした
「あ、ずりー。
俺には笑ってくれないのに!!」
「そうだっけ?ゴメンね!」
横でラビが文句を言うと
はおかしそうに笑った
その顔にラビは一瞬だけ驚いた
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ん?区切りが悪い?
・・・気のせい!
2008 11 09
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