それから、一応人間なのか検査をされ、
 巨大なエレベーターに乗りどんどんと降りていくと



 そこにいたのは巨大な白い・・・生き物・・・だった











 





 Spinning Dance ---2



















「さぁヘブラスカ、この神の使徒は君のお気に召すかな?」


 コムイがそう言うと
 ヘブラスカと呼ばれたその白い生き物が触手のようなもので
 の肩にかけてあるイノセンスに触れた






「・・・これは・・・?」


「シンクロ率を計っているんだ、
 イノセンス発動の生命線となる数値のことだよ♪」




「はぁ・・・」


 少々ビビリながらヘブラスカが計り終わるのをじっと待つ







「・・・3%・・・29%・・・」


 ヘブラスカが呟くと
 それに答えるかのようにイノセンスが輝きだした




「・・・59%・・・71%・・・・・・93%!」

 ヘブラスカの触手が離れる瞬間
 イノセンスは七色の光を放った




「・・・93%?」


「それが君の最大値だ・・・」


 ヘブラスカがと向き合った




・・・
 虹色の少女・・・お前は黒い未来の・・・一筋の光となる・・・」



「虹色・・・虹霞のこと?」

 はイノセンスをぎゅっと握った






「いや、それはきっと君のことだねー!」


 それを後ろで聞いていたコムイが拍手をしながらこちらにやってきた



「私・・・?」



「そうそう、しかもシンクロ率が93っていうのはかなーり優秀だね!
 これは期待できちゃうなー!!」


「はぁ・・・」



 イマイチ全てのことが理解出来ないはただ首を傾げていた


、イノセンスのことは聞いてるね?」



「はい、師匠からおおまかなことは聞きました。
 キューブとか、伯爵・・・のこととか・・・」




 うん、よろしい!とコムイは笑ったが
 は何故か曖昧な笑みを浮かべていた





「まぁ、そういうわけだから、一銭にもならないけど
 世界のために頑張りましょう!」


 しかし、そう言って手を差し出されたときは
 は笑顔でそれに答えた














































「じゃ、はもう夜遅いから寝るといいよ。」



「はい!
 えっと・・・部屋はどこですか?」





 ヘブラスカに別れを告げ、再びエクソシストの部屋の階へとやってきた







「うーんとねー・・・あれ、あ、神田ーーー!!!」



 コムイが辺りをキョロキョロと見回していると、
 廊下の向こうから誰かがが歩いてきた






「神田・・・?」(女の子・・・?)



「なんだコムイか。」



(あ、嘘、男の人だった!)


 神田は2人がいるところまでやってきた





「・・・こいつは?」

 神田はを一瞬だけ見た
 と、いうか睨んだ



「新しく入ってきたエクソシストのだよ!
 、こちら同じくエクソシストの神田くんだよ!」




「神田・・・日本人?」



「まぁな。」


 神田はそれだけ言うとそのまま歩き出した




「あーちょっとちょっと神田くん!
 の部屋が確か君のとこの隣りだから案内してあげて!!」


 しかしコムイがそう言うとまためんどくさそうに立ち止まった




「なんで俺が、めんどくさい。」

「だから、隣りなんだもんいいでょー?
 僕は仕事に戻るからよろしくーおやすみ!!」





「うぇ、あ、コムイさん!?」

「おいコムイ!!」



 2人が呼んでも時既に遅し

 
 コムイはとっとと消えてしまった







「・・・チッ」


 神田は舌打ちするとまた歩き出してしまったので
 は急いで神田の隣りに並んだ



 そしてジーッと顔を見つめる







「・・・ねぇ、神田のお家って畳?」


「・・・・・・」



「あ、やっぱり瓦屋根なの!?」

「・・・・・・」






 いくつか質問を重ねても、神田は無視


「・・・うーん・・・あ、お蕎麦好き!?」

「!」


 だが"蕎麦"という言葉にだけ反応した





「やった、お蕎麦好きなんでしょ!?
 私も大好きなんだー♪」



「・・・うぜぇ。」



「なっ・・・失礼よ!?」




「大体なんでテメーは蕎麦なんて知ってんだよ。」


「おばあちゃんが日系なの。
 だから日本の文化とか結構好きなんだ〜お蕎麦もね!」





「・・・食堂で食える。」



「ホントっ!?やったー!!!」





 わーいとご機嫌になった
 今度は神田がジッと見つめた


「ん、なに?」



「お前変なやつだな。」



「そうかな?
 でも神田は良い人そうで良かったよ、ファーストネームはなんていうの?」






 がそういうと、神田はまた舌打ちをした


「言わねー。」


「なんで?」



「ファーストネームで呼ばれるのは嫌いなんだよ。」


















「あれ、ユウ?」




 2人で歩いていると今度は後ろから声がした



 その声を聞いた神田の足がピタリと止まる



「・・・ユウ?」


「あれ、ユウ、その子どちらさん?」


 振り返るとそこにいたのは

「あ。」

 さっき老人に追いかけられていた・・・エクソシストだった




「おいテメー!」

 しかし、神田はそう叫ぶと腰に差してあった刀を抜刀して彼に突き立てた




「俺のファーストネームを気安く呼ぶんじゃねー!」

「ひぃぃぃっちょっ勘弁!!!」



「か、神田だめだってば!」


 冷や汗ダラダラの彼に代わってが神田のもつ刀をどかした



「なにやってるのよ!この人仲間でしょ?」


「俺のファーストネームを呼ぶやつは仲間じゃねー。」




 神田はそう言い捨てると近くにある部屋へと入っていった


 ・・・つまりその隣りがの部屋、とういうことになる





「いやー助けてくれてサーンキュ!
 んで、どちら様?」


 ホッとした顔の彼がに話しかけてきた


「あ、 です。
 今日からここでエクソシストとして働きます!!」



「お、マジでー?
 俺もエクソシスト!名前はラビってんだ、よろしくー!!」

 そう言ってに笑顔で手を差し出す




 しかし

 はラビを顔をジーッと見るだけでその手を握ろうとはしなかった





「・・・俺の顔になんかついてます?」






「あ、いや!」

 は慌ててラビの手をとった



「・・・?」



「・・・ねぇ、ラビ・・・は・・・」



「なんさ?」


















「・・・ラビは・・・本当に笑ったことある?」




















 そう呟くと、ラビの表情が固まった





 それを肯定ととったは少し顔を曇らせたが


「ゴメンナサイ、変なこと言って。
 おやすみ!」


 そう言ってそそくさと自分の部屋へと入った





















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大元帥との件は、カット!(笑)



2008 10 30


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