どこかの北欧あたりにするりとそびえ立つ黒い建物
下は切り立った崖
鬱蒼とした雰囲気がまるで目に見えるんじゃないかというくらい
その建物はおどろおどろしかった
「すごーい・・・お化け屋敷みたい!」
その建物の門の前に
1人の少女がポツリと立っていた
お供と言えば隣にこれまたポツリと置かれた小さな旅行カバンが1つ
それだけ
「うーん・・・でもどうすればいいんだろ・・・すいませーん!!」
中に入る方法のわからない少女は
とりあえず建物に向かって叫んでみた
「すいませーん!聞こえますーーー???
クロス元帥の紹介できましたーーー!!!」
・・・無反応。
「すいませーーーん!!誰かいないんですかーーー?
・・・・・・誰か答えてよコラーーーーーー!!!!!!!」
『君、だれ?』
「ふぇっ!?」
ついにキレたのか大声で軽く野次を飛ばしてみたら
いつの間にかそばでパタパタと飛んでいた黒いゴーレムから声がした
『クロス元帥の紹介って、あの人生きてるの?』
「え、バリバリ生きてますよ?
むしろ酒の飲みすぎでもうすぐアル中で死ぬかも。」
『君はエクソシストかい?』
「はい、イノセンスももってます。
初めまして、私 と言います!」
Spinning Dance ---1
『じゃぁ門番の検査受けてね♪』
と、なんともひょうきんな声がしたかと思えば
門からぬぅっと顔が出てきて、驚いている間にレントゲン検査のようなものをされ
気付けばその門番(?)が「開門〜〜〜!」と言っている間に門が開いていた
「・・・」
が呆気にとられていると・・・
「はいはーい、入って入って〜じゃなきゃ門が閉まっちゃうよ!」
さっきゴーレムから聞こえていたひょうきんな声の持ち主が待ち構えていた
ひょろりと背が高く、ベレー帽と眼鏡の大人だった
「初めまして、ここで室長やってるコムイ リーで〜すよろしくね☆」
「あ、初めまして、 です!」
その態度に一瞬思考が停止してしまったが
改めて自己紹介をし、差し出された手を握った
「まっさかクロス元帥の弟子がこんなに可愛い子だなんて驚きだなー。」
「はぁ・・・」
「ところで元帥は今なにしてるわけ?」
「え、あ、いつも・・・?の通りお酒飲んでギャンブルして・・・みたいな。」
「やっぱり・・・」
「兄さん、早く行かないとヘブラスカに怒られるわよ?」
コムイという人に散々質問攻めをされていたら
今度は同い年くらいの女の子が現れた
「兄さん・・・?」(なんて可愛らしい・・・)
「あ、この子は僕の妹のリナリー。エクソシストだよ!」
「初めまして、よろしくね。」
「あ、よろしく、リナリー!!」
同世代の女の子同士というだけあってか
2人にはすぐに打ち解けたような雰囲気が流れた
「んじゃ、とりあえず歩きながら話そうかね。
僕について来て〜!!!」
それを見たコムイはパッと歩き出した
それにリナリーが付き従い
も急いで後について行った
なんというか
ホント全てがひょうきんだ、この人
「君のようなエクソシストは基本ここが拠点になる。
ここで生活をして、任務があったら出かける。」
「だからここをホームって呼ぶ人もいるのよ!」
歩きながら、リー兄妹はいろいろなことを教えてくれた
「ホーム・・・」
「まぁ、出かけて帰ってこないっていう人もいるけど。」
「あは、すいません・・・」
「んーなんのことかなー?」
軽く各階層の説明も受けながら移動していく
「あ、リナリーはの部屋を用意してもらっていいかな?」
「えぇ、いいわよ。」
ちょうどエクソシストの自室があるという階でコムイが言った
「、荷物を預かるわね!」
「あ、うんお願いします!」
は持ってきていた旅行カバンをリナリーに渡した
「・・・そのショールは?」
リナリーがの肩にずっとかかっているショールを指差した
「あぁ、これは自分でもってるわ。」
「もしかしなくても、それがイノセンスかい?」
コムイの問いには笑顔で「はい」と答えた
そのショールは廊下の明かりに照らされてキラキラと光り輝いていた
「じゃぁ、荷物はこれだけね、いってくるわ!」
「よろしくね。」
リナリーはの荷物を持って奥の方へと消えていき
は引き続きコムイの後をついて歩き出した
「わーもーしつこいなジジイ!
わーーー嘘嘘、ゴメンって!!!!」
そんな2人が歩く廊下の突き当たりで
絶叫と共に1人の少年が横切っていった
それはもう全力疾走で
そしてすぐ後を小さな老人が追いかけていった
思わずの足がとまる
「・・・あれは・・・」
「あぁ、エクソシストだよ。
後でまた会えると思うよ!」
「そうですか・・・」(あの人・・・どこかで・・・)
もう誰もいない廊下の突き当たりを
はジーッと見ていた
「?」
「あ、すいません!」
コムイに促されて再び歩き出すまで
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ラビ、ブックマンに追いかけられて初登場☆
原作にはまだ辿りつきません
2008 10 27
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