「ひーまーだーよおおおぉぉぉぉぉぉ。。。」














 およよよよ〜と意味不明な嘆き声を上げながらソファに寝そべってうだうだしていると、
 頭上からはぁ、と盛大なため息が聞こえてきた。
















「あ、雲雀〜!!!・・・あれ?いつ来たの??」




「たった今。それより、勝手に入ってきてなにしてるの?」






「雲雀を待ってたっ!」




 仰向けに寝転がったまま会話をするに、雲雀はもう一度盛大なため息をついた。
 おいおい、そんなデッカイため息したらここまで息がかかりそうだよ!








「先帰っていいよって言わなかった?」




「言ったね〜。」






「じゃぁなんでいるの?」


「雲雀といたいから!!」




 えへへ〜と笑って両手を差し出した。
 起こして、という合図だと容易に解釈出来るが、
 しかし雲雀はそれを無視して執務用の机に行ってしまった。








「あれ、起こしてよ雲雀。」




「僕まだ仕事が残ってるから帰っていいよ、日が暮れるよ?」


「雲雀が送ってくれるでしょ?」


「・・・はぁ、勝手にして。」


「うん、勝手にする〜♪」」






 とりあえず雲雀の了承を得たので、は再び起きようとはせずソファでゴロゴロとする。
 雲雀もそんな阿呆らしい行動をいちいち咎める事も無く黙々と書類に目を通す。












































 が。




「ひーまーだーよおおおぉぉぉぉぉぉ。。。」






数分前に聞いた事のあるようなことを再びが嘆き出した。












「・・・、うるさい。」






「雲雀〜、暇。ひま。ひ・ま。ザッツひ・ま☆」






「僕は君の耳障りな言葉を聞きながら仕事をしてるから暇じゃないんだ、黙ってよ。」




「うがーーーーー。」




 更に変な事を叫び出す
 だが雲雀の机からはソファの背もたれがこちら側を向いているのでの姿は見えない。








「・・・」


 だが、叫ぶだけ叫んでおいてまたすぐに黙りこくる。
 一体なんなんだ、と眉を顰めている雲雀をが見ることは出来ない。






















「・・・ねぇ雲雀。」




「今度は何?」












「もし世界が私たち2人になっちゃったらどうする?」










 そして、なんの前触れも無くそんなことを聞いてきた。














「一体どうやったらいきなりそんな話題が出てくるわけ?」






「突拍子も無い話題って、女の子の専売特許らしいよ!!」


「あっそ。」


「こーら!華麗にスルーしないで答えてよーーー!!!」




「なんで?」




さんの暇つぶし♪」






 そう言ってはパッと自ら起き上がると、ソファの背もたれに両肘をついてその上に顔を乗せた。
 さあ答えて!と目が訴えている。それは雲雀にもわかる。




「なんでそんなくだらない事。」




 わかるけど、答える気は起きなかった。
 当然っちゃ当然のことだ。










「だから、暇なんだってば!!」




「だったらもう少しマトモな話題を投げかけておいで。」






「・・・今日の私の朝食のメニュー?」


「君、馬鹿なの?」




「まっさかー!!」


 こう見えても成績は常に上位キープですぅ〜とにこやかに笑った。
 本当のことだからこそ、どうしてこんな不思議な子が頭いいのだろうかと真面目に悩んでしまいそうだ・・・












「で?」




「引っ張るね、その話題。」




「そうかな、雲雀がスルーしちゃうからじゃない?」






「いつもならあんまりしつこくないじゃない?」


「うーん・・・まぁ、さっきから暇って口にするほど暇なのも要因の一つだろうけど、
 なんか本当にこの質問の答え聞きたいんだよね。」




「なにそれ、愛の確かめ合いとか気持ち悪いこと言う気?」


「まっさかー。雲雀ってば以外と乙女発言するんだね!」


「・・・前言撤回して。」


「ラジャー!!」












 そう言っている間も雲雀はカリカリと書類に書き込みを続け、はそれを厭きる事なく見続けている。








「なんかね、なんでこんな質問をしようかと思ったかっていうとね。」






「なに、勝手に語ることにしたの?」




「うん。だから雲雀はBGM感覚で聞いてね〜!」


「はいはい。」




 もうここまで来たらは止まらないとわかっているので、雲雀は聞き流す程度に耳を傾けた。




「なんかね、なんでこんな質問をしようかと思ったかっていうとね。」


 もう一度最初から言い出す
 ここで突っ込んだからまた確実に話を逸らしたあげくまた元に戻って一から話し出そうとするだろうから、
 とりあえず雲雀は黙った。






「雲雀って並盛最強の不良じゃん?んでここの風紀委員長じゃん?
 そういう誰かの上に立ってる雲雀でも、
 私と2人だけの世界になっちゃったら変わるのかなーとか思ったわけ。」




「ふーん。」




「まぁ、こんな尤もらしい理由はもちろん後付けね!」




「だろうね。」




「それでも聞いてみたかったんだ〜。
 雲雀ってさ、何がどうなろうとも雲雀のままなんだろうけど、
 そんな雲雀が変わる時はどんな時なのかな〜って、ね。」




 以外にしっかりと理由を言っていることに自分でも驚いたのか、
 はあはははは〜と乾いた笑みを浮かべた。








「・・・別に、変わることなんてないと思うけど。」


 それをペンを走らせるのを止めていつの間にかジッと見ていた雲雀は、やがてポツリと呟いた。








「あー・・・やっぱり雲雀は変わらないの?」


「変わってほしいの?」


「・・・どうなんだろ、そのまんまがいいかも・・・。」


「じゃぁこの質問は無意味だね。」


 そう言って笑うと、案の定おもしろくないのかはぷぅと頬を膨らませた。




「・・・まぁ、暇つぶしになったからいいもん!!」








「あぁ、でも変わる時はあると思うよ。」








「え、いついつ!?!?」


 剥れていただが、雲雀が言った言葉でまた元気を取り戻し食いかかる。
 まさに一喜一憂とは彼女のことを言うのだろう。
 それを見た雲雀はクックと笑った。






「でもそれは、が言った世界では起こらないよ。」




「私が言った世界?」






「もし世界が君と2人だけだったらって。」


「あれ、変わんないの?」










「変わらないよ、がいるからね。」










「・・・へ?」


 ちょっと言葉が飲み込めずにキョトンとすると雲雀はため息をついて、こう付け加えた。




がいなくなった世界だと、どうしようもなく変わっちゃうだろうけど。」






 そう言って柔らかく笑った雲雀の顔は酷く綺麗だった。


「っ・・・!」




 それを見たは一気に顔を赤くするとバフっと顔をソファに叩き付けるように倒れ込んだ。






 その時だけはフワフワなソファのはずなのに鼻がツーンと痛くなって、


 それでも叫ぶと雲雀に何を冷やかされるかわからないから我慢していて、


 おかげで雲雀が楽しそうにクックと笑っていることには気づかなかった。








 ねぇ雲雀、それってさ、私がいない世界は考えられないとか、そういうこと?




 世界でたった2人になっても、私がいればいいの?変わらない雲雀でいてくれるの?










 ねぇ、雲雀、それなら私も、一緒だよ。


























 世界には君がいればいい    



(これ、やっぱり愛の確かめ合いじゃない!?)






































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突発的に思い浮かんだネタ。
結局は2人ラブラブってこと!



 2009 02 01