キーンコーンカーンコーン・・・
「起立、礼。」
「「「「さようならー。」」」」
今日も今日とて一日の授業が終了。
カバンに荷物を詰め
(といっても教科書類は一切なし。)(勉強なんてするだけ無駄無駄。)
教室を出ようとして・・・
「おい、ちょっと待て。」
・・・止められた。
「・・・(チッ)
なによ跡部くん、まさか愛の告白?ゴメン、お断り。」
「誰がテメーなんかに告白するか気持ち悪い。」
(ぜってー今舌打ちしたよなコイツ。)
「気持ち悪い言うなよ失礼な。」
「お前以上に失礼なやつはいねーんだよ。」
肩をガシリ、と勢いよく掴んだまま離してくれない跡部景吾。
畜生振りほどけねー。多分カバンを投げつけても、だ。
「今日こそは逃がさねーぞ。」
「あらやだ、私いつ逃げまして?」
「強いて言うなら今だな。きちんと言えば今週一週間だ。」
・・・これは、今日は諦めるしかないっか。
そろそろ跡部の怒声が飛んできそうだ。
「・・・ハァー・・・はいはい、わかったわよ。」
「テメー雰囲気くらい漢字で書けねーのかよ。」
「書けねーよあたしゃ正真正銘中学3年生なんだよ。」
「中学で習うだろうが。」
「なにそれ、跡部の勘違いなんじゃない?
あ、あれか。自分は頭がいいんだぞーってあれか。」
「あれあれ言うな、分かり辛い。」
「見栄っ張り!」
スパン!!となんとも絶妙な音がした。
跡部の手がの頭を叩いたのだ。
「いったいわねーなにすんのよ!!
脳細胞が死ぬっつーの、責任とれんの跡部は!?」
「元からなんだ、今さら俺様が責任を取る必要は全くないよな、ア〜ン?」
「うっ・・・あーーーーー!!!!
てゆーか手元がぶれちゃったじゃない!どうしてくれんのよ!!
なんか私がまるでウトウトしながら書いたみたいにミミズがのったくってるじゃん!」
「なに意味不明なこと言ってんだ、んなもん消しゴムで消せ。
そんなこともわからねーのか、最早これは破滅的だな。」
そう跡部が捲くし立てると、
はふぉ〜と意味不明な雄たけびを上げて消しゴムを取り出した。
それを見た跡部は可笑しそうに笑ってみている。
「笑うなアホ部!」
「テメーにアホ呼ばわりされる筋合いはねー。
つーかとっとと書け!!!」
消しゴムを取り出しただけで
今だに文句を言って手を動かさないに喝を入れると、
は少しだけ驚いて、わかったわよーと再三の文句を言って手を動かした。
「てゆーか、そんなにケチつけるなら跡部が書いてよ、学級日誌!!!」
今さらそう思ったのか、は手元に開かれている学級日誌をバン!と叩いた。
「なにを今さら。」
「今さらでも書いてよ!
そうすれば丸く収まるでしょー!?」
「週直を金曜まで全部サボったテメーへの罰だ。
これだけで済んだんだから感謝しろよな、ア〜ン?」
「だったらこんなにケチつけないでよ!」
「それは別だ、テメーが馬鹿なのがいけねーんだろ?」
あー言えばこー言う。
とボソリと呟くと、ちゃんと聞こえていたらしい跡部がまた可笑しそうに笑った。
「こんなお前が、サッカー部のマネージャーとはな。」
しばらく黙々と日誌を書いていると、突然跡部がそんなことを言ってきた。
「文句ある?これでも雑用や部員の健康管理やら、いろいろしっかりやってるわよ!!」
「日誌もちゃんと書いてるのか?」
「・・・顧問は文句言ってこない。」
「それじゃー本音はわからねーなぁ。」
くくく、と笑う跡部をキッと睨んだ。
「こんのサル山の大将が。
あんたに私の努力がわかるか。」
「わかるわけねーだろうが。」
もっともな事をスッパリと言い切られて、はついに押し黙ってしまった。
「なんだよ、押し黙ってらしくもねー。」
「ふんだ、アホ部なんて知らないもん!
私だってねー、やれば出来るんだからね!
跡部なんかに文句言われないように、ちゃーんとね!!」
そう言い終えて少し優越感を覚えたのか、
はフフンと得意げに鼻で笑った。
だが、笑ったのはだけではなく・・・
「くくく、言ったな。」
そう不適に笑った跡部は席から立ち上がると、
すぐ隣で何事だと怪訝な顔をしているの腕を掴んで立たせた。
「な、なによ、日誌終わってませんけど?」
「そんなに出来るヤツだって言うなら、ウチにきて証明しろ。」
「は!?」
突然言い放たれた言葉の意味がさっぱりわからない、といった顔では固まる。
「ウチの200人の部員まとめて、雑用して、
健康管理して、ついでに日誌もきちんと書いてみろ。」
「な、なに言ってるのよ、私サッカー部のマネージャーだってば!
掛け持ちなんて出来ないもん、そこ等辺のすぐにOKしてくれるファンの子誘いなよ!!」
「俺はお前に言ってんだ。大体なー・・・」
そう言って跡部はぐいっとの腕を更に引っ張ると、
自分の口元にの耳を近づけた。
「誰が掛け持ちしろっつった。俺様のとこに来いっていってんだ、ア〜ン?」
ヤバイ。
最後の決め台詞で背中がゾクリとした。
はバッと離れるが、まだ跡部に腕を掴まれているのでそこまで遠くにいけない。
つまり、顔はバッチリ跡部のまん前にあるのだ。
「くくく、顔が真っ赤だぜ?」
自分でもわかっている火照った顔をぷいっと逸らし、そしてふと思った。
「これ、え、引き抜き!?
てゆーかさっきの、誘導してなかった!?!?」
バッと再び跡部の方へ顔を向けた。
まだ顔は赤いが、そこには少々の怒りが含まれている。
「今さら気づくとは、やっぱ破滅的な馬鹿だな。」
「なっ・・・そう言い切るヤツを引き抜くな!
あんたも馬鹿なんじゃないの!?」
「なんだ、もっと言ってほしいのか?」
そういって再び笑ってみると、は条件反射のようにまた引き下がろうとする。
だが先ほど同様それは無理な話で、
抵抗の証のように机に乗っている日誌がバサリと落ちただけだった。
「前から欲しいのは、お前だけなんだよ。」
そう言ってまだ何か言いたそうなその小さな唇を塞いだ。
(テメー、あれほど雰囲気くらい漢字で書けって言ってんだろーが!!)
(榊先生はなんにも言ってこないんだからいいじゃんかー!)
(監督が良しでも俺様は許さねーぜ、ア〜ン?)
(こんのサル山の大将!アホ部!!)
(言ったな、・・・)
(ひぃっ・・・ジ、ジローちゃん探してきまーーーす!!!!!!!!!!!!)
(テメー待ちやがれ!!)
(侑士。)
(なんやがっくん。)
(俺あんな楽しそうな跡部初めてみた。)
(・・・右に同じやな。)
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なんだこれ(笑)
最近目覚めたの、テニプリ。
やっぱいいよね、ある意味私の夢小説の原点です!
2008 11 30