ー・・・なにしてんの?」






「なにって、見りゃわかるでしょ、お空を眺めてるんですよー!」








 そう言ってこっちを見ずに、ずっと空を見上げている。
 ・・・首が痛くないのだろうか・・・
 と、いうか一体全体どうしていきなり立ち止まって、
 空なんて見上げているのだろうか・・・

 AKUMAを倒して宿へと帰る途中だ、出来れば早く帰りたいのだが・・・



「こんなドス暗い空見上げてどーすんのさ、つーか雨降りそう。」




 が見上げているのは、今にも雨が降りそうな空。
 このまま道のど真ん中で突っ立っていたら、確実に濡れるだろう。









「ほら、、宿に戻るさ。
 降ってきてからじゃ遅いさ!!」


 そう言っての腕を取って、ラビは再び歩き出した。



 雲の流れは速く、でもその黒い雲が切れることはなさそうだ。
 遠くで雷が鳴っている気がする。
 本格的に降り出しそうだ。





 降り出しそうだって言うのに・・・



「・・・、お前歩く気ないだろ?」


「ラビが勝手に歩かせてるだけでしょー!」



 振り向くと、まだは空を見上げていた。
 おかげで歩調がたどたどしくて、上手く歩けていない。

「なー、なんでそんなに空見上げたいわけ?」




「雨が降らないかなーって。」



 そう言った矢先、だった。

 ラビの鼻の頭に一粒降りてきた。

「あ、雨。」



「えっ嘘ズルイ!!
 私が先に雨に当たりたかったのにーーー!!!」

 はがっかりとした表情でまたその場に立ち止まった。




「なに、俺より先に当たりたくて見上げてたわけ?」


「うん。」



「意味わかんねー・・・」

 ラビも呆れて立ち止まってしまった。



 やがて、ポツポツと細い雨脚が降り注いでくる。
 それでもは動かないから、仕方なくラビも雨に当たることにした。






「やーっぱ雨に当たるっていいよね。
 悪い気分が流されていく気分。」


 その言葉にラビは目を見開いた。



も悪い気分とかあるんか?」

「ラビ、失礼にも程があるわよ!!!」


 ラビがうっかり言ってしまった言葉にが牙をむく。






「エクソシストなんて役職じゃ、いい気になる方が少ないわよ!」


 そう言って空に向かって両手を広げた。



「だから雨の日はこーやって思いっきりあたるの!
 悪い気分も、ついでに流してもらって・・・」



「・・・ふーん。」







「あ、ラビと一緒にいるのもいいんだけどね!」


 エヘへ、と照れるようにはにかむ
 それを見たラビも、一瞬ビックリしたがすぐに笑った。



「そりゃーよかった。
 んじゃ帰るさ!!」

「へっ?・・・わっ!!」

 そしての腕を再度取るとぐいっと引っ張っり
 自分も走り出した。






「ラビー!?」


「俺っちがいるならもういいでしょ!
 これ以上濡れる前に宿に戻るさ!」



「・・・あーそっか、それでいいんだね。」

「そゆこと!」



「ラビ、濡れるの嫌なの?」

「嫌だー、だからと一緒に帰る、それでOK!!
 それダーーーッシュ!!!」


 ラビはそう言って走る速度を一気に上げた。



「ちょ、ラビ速い速い!!!」


 それに巻き込まれるだが、
 楽しくなってきたので、笑ってやり過ごす。

 ちょっと転びそうになったけど、
 それもご愛嬌ってことで。









 鈍色の空の下でワルツを    












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なんだこれ。
申し訳ない!!orz



 2008 11 13
 title:ユグドラシル