「ベ、ベル!ちょっ・・・と・・・!!」






「ん、どーかした?」


 イシシ、と笑いながらも、ベルはどんどん近づいてくる。









「なんでいきなり近づいてくるの!?」


「キスしたいから?」



「なぁっっっ!!」


 一気に顔が火照った。
 きっと真っ赤なのだろう。




かーわいいー!」


「そ、そんなことさらっと言わないでよー!」




 は赤くなった顔を持っている本で隠した。

 元々はソファで2人して静かに読書をしていたハズなのに・・・


「ベル、読書しよ、ね!?」


「やーだ!」




 そう言ってベルはあっさりと本を取り上げると、
 ポイッと適当に投げ捨てた。


 あぁぁ!と言っている間に、さらに間合いを詰められてしまった。
 それなりに大きいソファのハズなのに、
 2人が密着している分以外はもぬけの殻である。


「うぅ、ベル・・・」



「なに、そんなに俺とキスするの嫌なわけ?
 王子がしてやるって言ってんのに。」

「は、恥ずかしい・・・」


 はそう言って、今度は俯いた。







「そんなの却下ー!」


「ちょ、ベルっ・・・!!」


 ベルはこれもお構いなしにの顎をくいっと上げ、
 唇と唇が触れるあと、数センチ、というところで・・・












「う゛お゛ぉい、ベルいるかーーー!!!」


 あまりにもうるさい声がドアの前から飛び出してきた。









「っ!スクアーっむぐっ!」

 驚いたが声を上げようとしたが、
 とっさにベルの手によって口を塞がれた。

「しーっ!」


 子供っぽく人差し指を口にあて、イシシと笑ったベル。
 だが、スクアーロに返事をせずに黙ったままだ。




「むぐっ・・・」(ベル??)















「う゛お゛ぉい、ここにもいないのかよ、どこいったんだー?」


「なにやってるのースクアーロー!!」

「ベル見つからないみたいだね。」


 スクアーロはドアの前にまだいるらしく、
 さらにルッスーリアとマーモンの声もする。
 みんなしてベルを探し回っているらしい。


「どこ行ったのかしらねー?」

とデートでもしてるんじゃない?」


 そしてそのままドアの前で会話を始めた。











(ベル・・・行かなくていいの・・・?)


 は目の前にいるベルに目で訴えるが、
 ベルはイシシ、とまた笑って、すっとの口に当ててる手を離した。



「ベ・・・んぅっ!」

 そして声を発しようとした瞬間、今度は唇で塞がれた。








「まぁ、ベルはにベタ惚れだからね。」

「可愛らしいじゃなーい!」


「そーかー??」







 ドアのすぐ向こうにはまだ3人がいる。

 は恥ずかしくて離れようとするが、
 背中はソファの背もたれがあるし、
 ベルを押しのけようとしても逆に抱きすくめられた。


「んんっ・・・」


 ベルはただキスをして、抱きしめているだけ。
 それでもかなり息苦しくなってきた。

 ドンドンとベルの胸を叩くと、ベルはあっさりと唇を離した。



「むぅ・・・ぷはっ!べ、ベル!!」


 の顔はさっきよりも真っ赤で、ゆでだこ状態だ。



「み、見つかったらどうするの!」

 今は思いっきり叫びたい時だが、
 外に人がいるから自然と小声になっている。


「見つかんないよーにが頑張れば?」

「な、んで・・・恥ずかしいんだってば!」


「こんなの雑音だろー!?
 王子がいいっつってんだからいいんだよ!」

「ベル、ホントにお願い・・・!」




「だーめ!」



 そう言ってベルはの頭を撫で、
 またその愛らしい唇を塞いだ。










 Musica anche di rumore    


(ベルったら、私たちが気づいてることわかってるわよねー)
(ホント、見せつけられてるって感じ?あ、聞きつけられてる?)
(でもそれ知ったらが泣くぞ、う゛お゛ぉい!)




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ベルも好きーーー♪



 2008 11 13