「恭弥ーーーたまには放課後デートしよ!!」








「・・・、なに言ってるの、君この書類の山が見えないわけ?」


「そんなの草壁に任せれば問題なし!!
 じゃ、草壁、任せた☆」



 そう言い捨て、は雲雀をむりやり引っ張って応接室を飛び出した。




 遠くで草壁の叫び声(嘆き声?)が聞こえるけれど、
 全く気にしない!!!










「・・・、わかったからもう離していいよ。」


「やったーーー!」


 は嬉しそうに腕から離れた。
 その代わり、自然と手を繋いで。




「で、なんでいきなり放課後デートなわけ?」



「だって恭弥いっつも忙しくてしたことなかったじゃない!?
 他の人達見て、ちょっと羨ましかったんだー!」


 そう言って同じように手を繋いで歩くカップルを
 羨ましそうに見る





「・・・そう。で、どこ行きたいの?」



「ゲーセン!!」




















「わお、なんて弱いんだいこの対戦相手。」


「・・・一応コンピューターレベルはMAXだけど・・・」



「駄目だね。」


 雲雀は呆れたように言う。
 目の前にあるのはいわゆるシューティングゲーム。


 その前にやった某太鼓ゲームも、
 UFOキャッチャーも、このシューティングゲームのように
 あっさりとやりのけた。





「恭弥、やっぱゲームも最強なんだね。」


「僕を誰だと思ってるんだい?」



「・・・そうだね、さすが恭弥!」





 ふと、が見たところでは
 カップルがイチャイチャしながらゲームをやっている。


「・・・」



 そして、ふと雲雀を見ると、
 ガラの悪い学生をシメていた。

 ・・・もとい、噛み殺していた。





「・・・あ、はは・・・」


 それを見たは、空笑いをするしかなかった。
















「チョコミントと、キャラメルと、苺シャーベット!
 恭弥はー?」


「・・・チョコチップ。」



「え、シングルでいいの?」

の聞いただけでお腹いっぱいなんだけど。」


 次にやってきたのは、アイス屋。




「チョコチップのお客様ー!」

 定員がまず雲雀のアイスを持ってきた。
 それを雲雀は黙って受け取る。


「チョコミントとストロベリーと、レモンシャーベットのお客様ー!」


「・・・いえ、チョコミントとキャラメルと・・・苺シャーベットなんですけど・・・」


 次にやってくるハズののアイスは、
 3つの内2つが間違っていた。



「いえ、これですよ?」

「いやいや、違うし!!」


 本当に違うと言うのに、
 店員はまるでめんどくさそうな目でを見た。





「ちょっと、になんて目向けてるわけ?」


 それを見た雲雀が前に出た。
 に自分のアイスを渡し、その店員の胸倉を掴んだ。



「違うって、言ってるでしょ?」

 睨みつけながらそう言うと、店員はビビッたのか急いで作り直し始めた。




「ありがと、恭弥!」

「こえー!!
 それくらい許してあげればーーー?」


 がお礼を言うと同時に、後ろから男が文句を言ってきた。
 ギャル男っぽい人だ、同じくギャルの彼女を連れている様子。




「・・・僕に指図しないでくれる?」


「こっわ!僕ちん何様ですかーー?」

「ちょっと止めなよー関わんなくてよくなーい?」


 雲雀が睨んでも、カップルはケラケラと笑っているだけ。


(・・・マズイ。)

 と、が思ったのも束の間。



 雲雀はガッと今度はそのギャル男に掴みかかった。



「君、これが最終警告だよ?」


「・・・はっ!んな脅しが通じるかよ!」

「そーよそーよ。ダーリンはこう見えても空手部の主将なんだから!」


 雲雀の警告も無視。




「・・・噛み殺す。」








 その結果。

「ちょっと、あんた激ダサなんですけど!
 つーか弱くない!?」


 ギャル男は瞬殺。
 驚いたギャルが男の体を揺するが、ビクともしない。




「・・・まさかあんた、主将とか嘘なわけ!?
 え、嘘なわけ!?さいってーマジ死ねし!!」


(どう見たってその外見で空手なんてやってないと思うんだけど・・・)


 なんだかんだでギャルは怒って帰っていった。




 もちろん、大事になったので、
 2人もアイスを受け取って(もちろん注文通り)そそくさと出た。















「あー駄目だ、恭弥と放課後デートは無理だわ!」


 2人はアイスを食べながら帰り道を歩く。




「当然でしょ、僕があんな奴らと同じことなんてするわけないし。」


「うーん、そうだとは思ったんだけど・・・
 やっぱり羨ましかったからさー。」


 そう言いながらは少しションボリとしていた。




「・・・別に、他の奴らと同じことしなくていいでしょ。
 僕らは僕らでいれば。」


 なにか問題でも?と聞くと、
 数秒考え込んだ末、

「・・・全然!!」

 と笑いながら言った。













 二人の形は、かたちないもの    


(明日からまた応接室に入り浸ろうっと!)
(どうぞ、むしろ歓迎してあげるよ。)




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ギャル系って描写難しい・・・(違)



 2008 11 11
 title:Butterfly&Frog