「・・・何がどうなったらこうなるんだよ・・・」














 頼む、誰か教えてくれ。







 ・・・そう言って本当に誰かが教えてくれたら苦労しない。




「・・・おい、起きろ、。」


 とりあえず事情を説明するから同時進行でこいつを起こさせてくれ。

 俺の隣で堂々と寝ているこの女を・・・



























「・・・お前、普通夜に来るか?」


「え、来ちゃ駄目?」


「駄目じゃないのか?」




 いや、本当は詳しいところは知らない。
 まぁ常識的には忍たま長屋とくのたま長屋の間に大きな壁がある時点で
 むやみに立ち入るのはよくないんだろうけど・・・
 正直この辺りの規則は知らない、知る必要ないと思っていたから。


 ・・・思ってたんだけど・・・




「ゴメンね、勉強教えてって約束しちゃった手前、行った方が逆にいいと思って・・・
 けど山本シナ先生に雑用頼まれちゃって・・・」


 思ってたけど、目の前の彼女を好きになってしまったからには、ちゃんと覚えた方がいいのかも知れない。


「それで結局夜になっちゃって・・・」



 そう思ってる時点でかなりベタ惚れだなぁと思う。




「いいよ、数学だっけ?」


「うん、ゴメンね竹谷・・・」


「いいから早く入りなよ、寒いよ外は。」



 とにかくここを三郎にでも見られちゃいけないと思って目の前にいるくのたま・を自分の部屋に招きいれた。































 それがいけないというなら、頼む誰か、どうしたらよかったのか教えてくれ。



、起きろよ!」


 結局約束通り数学を教えていた。そうだ最初はちゃんと教えていたんだ!
 だけどやっぱり夜だから途中でお互い眠くなってきて(つい最近野外実習を終えてきたばかりだし)
 それでも頑張ろうとお互い頑張ったんだけど・・・





「・・・結局お互い寝ちゃったか・・・おーいー!!」



 ふと気づけば外から聞こえたのは鳥のさえずり。
 ビックリして飛び起きると、なんと部屋には朝日が差し込んでいる。



・・・あぁそういえば寝起きが悪いって言ってたっけ・・・」



 そして、何より一番驚いたのは机を挟んで向かい合っていたハズの
 俺の隣で擦り寄るように寝ていたことだ。(しかも袖を掴まれてる)





 ・・・まあ、心臓は止まるよな、普通。






!」


「ん〜・・・」


 何度か揺すりながら名前を呼んでやると、ようやくは身じろぎした。

 けど、俺の服の袖はガッチリ掴んだままだ。



、まずいんだよ朝なんだよ!早くくのたま長屋帰らないと大騒ぎだ!」


「ん・・・たけ・・・?」


「やっと起きたか・・・」

「・・・たけや・・・?」


「そうだよ、?」



 自分でも驚くくらい優しい声で名前を呼んでやると、途端にはうっすらと目を開けたままフワリと笑った。

 ・・・だからそれ、心臓止まるってば!




「竹谷〜・・・」

「うわっ!?」


 しかもむくりと起き上がったと思ったらいきなり抱きついてくる。


!?!?」

 いくらなんでもそれはマズイ!マズイってば!!!!!!!




「おはよ〜たけや〜・・・」

 当のは完璧に寝ぼけてるのかふにゃぁと頬を緩ませながらギュウと体に巻きつけてきた腕に力を篭める。




「お、おはよ・・・じゃない!ちゃんと起きろ!!」

 早くしないとみんなにバレる!
 かろうじてお互い忍者装束なだけよかったけど、でもそれでもここを目撃されたらマズイ!
 みんなに公認されてる仲でもマズイ!!!!!



!!!!!」


「う、うるさい〜・・・」



 申し訳ない気持ちを込めながら耳元で叫ぶと、はようやく観念したように顔を胸元から離してきた。






 ・・・けど、体はピッタリと密着してるし、おまけに上目遣いで見上げてくるし、逆効果?






「あんまり叫ぶとみんなに気づかれるよぉ?」


 しかもまだ寝ぼけてるし!!!!



「うん、早くしないと物音で三郎や雷蔵が起きちゃうかもしれないんだ。」


「不破くん・・・?」


「そ、だから起きて。」



 の口から他の男の名前が出ただけでも少しムッとしてしまう自分に嫌気をさしながら、の体をそっと引き剥がす。





「ほら、後片付けして早く帰れよ。」

「・・・やだ、竹谷。」

「ハ?ちょっ・・・!!!!!」

 そして机に散らばっている教科書なんかをまとめようとするが、それでもすぐには引っ付いてくる。



・・・」


「竹谷がいるんだもん〜・・・」

「なにわけわかんないこと言ってんだよ!!!!!」


「・・・竹谷がここにいる〜・・・」



「ハァ?」


 内心呆れてはいるのに、心臓はバックバクでもうはち切れそうになっている。



 普段はここまで自分から引っ付いてくるような感じじゃないのに、
 朝だからって寝ぼけてるからってここまでするか普通!?




、いい加減怒るぞ!」


「やだ!」




「やだって・・・あぁもう、お前まさか三郎とかじゃないよな?」


 こんなに引っ付いてくるんじゃ三郎辺りが昨日の出来事目撃して遊んでるんじゃないかとさえ思ってしまう。


 すると、は急におとなしくなったかと思うとソッと体から離れた。






「・・・?」






「竹谷、私のこと鉢屋くんだと思ってるの?」


「えっいやそういうわけじゃ・・・」


 そりゃ一瞬考えちゃったけど・・・もしかして、怒らせてしまったのだろうか?




「ゴメン、今のは頭に血がのぼって言い過ぎた・・・」



 そう優しく言うと、はやっと顔を上げたがムッとしている。
 朝からまた一苦労増え---







 チュ






 ---????


「ちょっ!?!?!?」





 ムッとしてる。


 そう思ったが次の瞬間、まさしく一瞬の隙をついての方から口付けされた。





「何してんの!?」


 普段自分からじゃ絶対やらないくせに!!!!







「・・・これでわかったでしょ、私だって。」



「・・・・・・」



「それともまだわからないっていうの?」



 尚もムッとしている








「・・・竹谷?」


「わかんないよ。」


「なっ!?」



 もうどうにでもなっちゃえ。

「もう一回しなきゃわかんないよ。」


「・・・へ?たけ---」



 チュッ




「っ・・・竹谷?」


「・・・の馬鹿。」




 お返しと言わんばかりにこちらから口付けしてやれば、は突然プッと吹き出した。





「アハハ、竹谷ってば自分からしておいて顔真っ赤!」


「う、うるさいな!大体、なんでようやく覚醒したと思ったら今なのさ!!!」


 なにも今じゃなくても・・・!!!




「だって竹谷がキスしてくれること自体滅多にないじゃない、そりゃ起きちゃうわよ!」


 さっきまでのトロリとした言動はどこへやら、いつものがハキハキとした態度で声を上げて笑う。



「・・・まさかわざととかじゃないよね?」

「さぁ?」

・・・」


「いいじゃない別に。」



 そう言ったはフワリと笑うとまた抱きついてきた。







「わっ・・・っだから引っ付くなって・・・」



「だってさ!」




「へ?」




「だってさ!起きてすぐ目の前に竹谷がいてくれて嬉しかったんだもん!!!」






 そう言うとはまたスッポリと顔を俺の胸元に埋めてしまった。



 けど赤くなった耳はバッチリ見えたから、途端に胸の奥が熱くなる。









「・・・そうだね、俺もちょっと・・・いやかなり嬉しかったよ。」


 この熱がバレないように、いやバレてもいいや。
 とにかくギュウとを抱きしめ返してやれば、
 下からくぐもっているけど、けど嬉しそうだってわかる笑い声が漏れた。





































 ハローダーリン    


 (素敵な朝だね)

























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ヒッ!すみません竹谷視点な時点で
起こしてくれる竹谷に萌えられなくてすみません!
その前に酷い文ですみません!!!!!!



 2009 10 08


やすし様に献上